未経験の状態で「何から始めよう?」と悩んだとき、
まずは入門書から始めようと考える方は多いのではないでしょうか。
私自身もそうでした。
しかし、いざ本を探してみると、
- 種類が多すぎて、どれを選べばよいのか分からない
- 専門書は値段が高く、何冊も買えない
- 初心者向けと書かれていても、実際は難しすぎる
といった壁に次々とぶつかりました。
そこでこの記事では、組み込みエンジニアとして現場8年の経験から「本当に役に立った3冊だけ」 を厳選してご紹介します。
**「遠回りせず、最短でスタートしたい未経験者の方」**に向けた内容です。
なぜ「本選び」がこれほど重要なのか
未経験のうちは、そもそも 成功体験もなく、何が正解か分からない状態 です。
近年では学校や企業の研修で教えてもらえるケースも増えていますが、それでも 学習期間は決して十分とは言えず、かなりシビア なのが現実です。
また、専門書の中には海外書籍の翻訳本も多く、
- 翻訳の日本語が不自然
- 内容が分かりづらい
- かえって外国語より難読になる
といったケースも少なくありません。
その点、良質な入門書には、
- 何を学ぶべきか
- どの順番で学べばよいか
- どこまで理解すればよいか
が具体的に整理されており、自分のペースで正しい順序で学習を進めることができます。
私自身は学校で組み込みを学びましたが、
毎週の提出期限に追われながら、今回ご紹介する入門書を参考に何とか課題をこなしていたのが正直なところです。
本書と出会うまで、無駄な調査時間や遠回りを多くしていました。
だからこそ、「良書に出会えるかどうかは、最初の成長スピードを大きく左右する」 と強く感じています。
✅ おすすめ①【完全未経験者向け】
新・解きながら学ぶC言語
どんな人に向いているか
完全未経験者向け
良かった点
本書の一番の魅力は、
学習内容のソースコードと、そのコードに対する細かな解説が非常に丁寧な点 です。
未経験のうちは、
- そもそも「完成形」がイメージできない
- 何を目指して書いているのか分からない
という状態になりやすいですが、本書では
最初に完成系のコードを確認し、不明点があれば解説で補完しながら学習できる
という流れで進められるため、
「何のためにこのコードを書いているのか」が常に明確な状態で学習できるのが大きな強み です。
微妙だった点
内容がやや古い部分もあるため、
入門時の学習としては非常に優秀ですが、自主学習では別途最新の動向も押さえる必要があります。
ただし、実務上 致命的になるほど古い内容ではありません。
現場では OJT で自然に補完されることも多く、
最初の1冊としては十分に実用的なレベル だと感じています。
この本で身につくこと
- C言語の基礎文法
- 「コードを読んで理解する力」
- 完成形を意識したコーディング感覚
1️⃣ 新・解きながら学ぶC言語(おすすめ①)
👉 https://amzn.to/4ar5uyw
✅ おすすめ②【実装力の底上げ】
新・明解C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造 第2版
向いている人
初めてアルゴリズムとデータ構造を学ぶ人
良かった点
基本的なアルゴリズムとデータ構造を、「実装を通じて」学べる点 が最大の特長です。
- 配列
- 探索
- ソート
- 基本的なデータ構造
といった内容を、
「実際に動くコード」とセットで理解できるため、知識が定着しやすい 1冊です。
微妙な点
一部、ややマニアックな内容も含まれているため、未経験の方はすべてを網羅しようとしなくてOK です。
- 今の自分に必要な部分だけ選ぶ
- 分からない章は一旦飛ばす
といった “取捨選択しながら学習する姿勢” で使うのが最も効果的です。
この本で身につくこと
- アルゴリズムの考え方
- 基本的なデータ構造
- 処理の効率を意識する思考
2️⃣ 新・明解C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造 第2版(おすすめ②)
👉 https://amzn.to/49OURWb
✅ おすすめ③【理論・思想まで学ぶ】
プログラミング言語C 第2版(ANSI規格準拠)
向いている人
より本格的にC言語を学びたい人
良かった点
本書の最大の特徴は、
著者がC言語を開発したメンバーの一人であることです。
単なる使い方の解説ではなく、
- 標準関数が内部でどのような処理をしているのか
- なぜその仕様になっているのか
といった “言語仕様そのものの背景”まで踏み込んだ説明 が書かれており、
知識としての「C言語の理解度」が一段深くなります。
微妙な点
正直に言うと、
最初の1冊として使うにはハードルがかなり高いです。
- 用語が専門的
- 説明も理論寄り
- 前提知識が多い
そのため、
入門書を一通り学習した後に、改めて読むことを強くおすすめします。
この本で身につくこと
C言語の思想や型システムなど、入門書では得られないレベルの“言語仕様の本質的な理解”が身につきます。
3️⃣ プログラミング言語C 第2版(おすすめ③)
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3冊の位置づけまとめ(どれを選べばいいか一目で分かる)
| 書籍名 | レベル | 役割 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 新・解きながら学ぶC言語 | 完全初心者 | 最初の1冊 | プログラミング未経験・新卒・文系 |
| 新・明解C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造 | 初級〜中級 | 実装力の底上げ | 基本文法を一通り学んだ人 |
| プログラミング言語C 第2版 | 中級〜上級 | 理論・仕様の理解 | C言語を「ちゃんと理解したい人」 |
もし1冊だけ選ぶとしたら、まずは「新・解きながら学ぶC言語」からで問題ありません。
その後、実装に慣れてきたタイミングで②、
さらにC言語そのものを深く理解したくなった段階で③へ進むのが、現場目線では最も無駄の少ない順番です。
私がこの順番で読んだ理由(実体験)
私自身は、おすすめ①→②→③の順番で読み進めました。
まず①では、C言語の基礎的な内容が丁寧に解説されているため、完全未経験のうちから読むべき内容だと感じました。
ここで文法やコードの書き方の土台を作ることができます。
次に②では、①を読んだ前提で、より発展したアルゴリズムやデータ構造について学習を進めました。
「C言語を使って、どう考えて実装するか」という部分がこの段階で身についたと感じています。
最後に③では、必要に応じて興味のある章を部分的に読み進めることで、C言語の知見をさらに深めていきました。
もし②や③から読み始めていたら、C言語の基本が分からない状態では内容をほとんど理解できず、
ハードルが高すぎて挫折していた可能性が高いと思います。
そのため、未経験者の方には、①→②→③の順番で進めることを強くおすすめします。
未経験者が本選びでやりがちな失敗パターン
未経験の方が本選びでやりがちな失敗として、次のようなケースがあります。
③から手を出しても、理論的にはC言語の習得は可能かもしれませんが、
難易度がかなり高く、挫折する可能性が非常に高いと感じています。
また、1冊をやり切らないまま別の本に手を出すのもおすすめしません。
入門書は内容が似通っていることが多く、結果として「いつまでも同じところをぐるぐる回る」状態になりやすいからです。
遠回りを防ぐためには、
「今の自分のレベルに合った1冊を、最後までやり切る」
これが何より重要だと感じています。
結論:迷ったらこの1冊からでOK
もし今、「どの本から始めれば良いか分からない」と悩んでいるのであれば、
まずは①の「新・解きながら学ぶC言語」から始めて問題ありません。
そこでC言語の基礎とコードの読み方を身につけ、
余裕が出てきたら②で実装力を広げ、
さらに深く理解したくなった段階で③に進む。
この流れが、現場目線では最も無駄が少なく、挫折もしにくい学習ルートです。
また、「そもそも何から勉強すべきか分からない」という方は、
こちらの記事も参考にしてみてください。
▶ 組み込み未経験者が最初に勉強すべきこと5選(2025年版)
【2025年版】組み込み未経験者が最初に勉強すべきこと5選 | Embedded Study
免責・注意点
本記事で紹介している書籍は、あくまで 学習の“補助”となる道具です。
読むだけでスキルが身につくわけではないため、
必ず実際に手を動かしてコードを書くことが重要です。
※本記事はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しており、適格販売により収入を得ています。

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